大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)1639 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人島田勝三上告趣意は末尾に添附した別紙記載の通りである。

上告趣意第一、二点について。

然し、被害弁償の事実は量刑上参酌せらるべき事由であつて、その事実があれば

所論のように法律上当然刑の減軽をしなければならぬというものではなく、また量

刑の事情については一々これを判文上明示する必要はないのである。なお原審は本

件窃盗の被害弁償の事実について審理していること記録上明らかであるから論旨は

理由がない。

同第三点について。

所論は原審の訴訟手続に論旨第一、二点主張の瑕疵のあることを前提として憲法

三二条違反を主張するものであるがその前提の理由のないことは既に前記説明のと

おりである。(なお、原審において所論の証人申請を却下したことを攻撃する点は

証拠の採否に関する原審の専権事項を非難するもので適法な上告理由とならない。)

のみならず、憲法三二条は凡て国民は憲法又は法律に定められた裁判所においての

み裁判を受ける権利を有し裁判所以外の機関によつて裁判されることのない旨を保

障したものであつて、所論のように判決に被害弁償の有無を認定判示するとか、又

その事実に関する証人申請があつた場合裁判所は必ずやその証人を取調べなければ

ならないという趣旨のこと迄を憲法同条が定めたものと解されないこと当裁判所大

法廷判例の趣旨に徴し明らかである。(昭和二三年(れ)五一二号同二四年三月二

三日大法廷判決参照)論旨は理由がない。

同第四点について。

所論は量刑不当の主張であつて、適法な上告理由とならない。

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よつて旧刑訴法四四六条を適用し全裁判官一致の意見により主文のとおり判決す

る。

検察官 竹内壽平関与

昭和二六年三月一三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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